丘と温室
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■多様な居場所のあるワーケーション施設
様々な職種、異なる地域から訪れる来訪者が共存できるために多様な居場所をつくります。
大勢で集まり親睦が図れる場所、一人で静かに熟考できる場所、食事ができたり、屋外で活動できる場所、
ただただ海を眺めて座る場所など、いろんな居場所を用意します。
■景観に呼応する丘のような草屋根
三陸の海と山地に挟まれた豊かな景観に呼応するように緩やかな曲面を持つ
丘のような草屋根をつくります。海からのランドマークとなり、かつ、まちの多くの場所から⾒える丘として、
日常生活の拠り所となります。さらに災害時の避難目標としても機能します。
■「温室」が調整する室内環境
「温室」は耐震要素であると同時に、室内環境を調整します。
三層吹き抜けのボリュームにおいて、夏季は日射熱により暖められた空気により温度差・高低差換気を促し
自然風の利用と煙突部で排熱を⾏います。
さらに雨水利用により上方よりボリューム内の壁面を散水することで気化熱により温度降下を図ります。
壁面は保水⼒の高い地元産の杉皮によって仕上げられます。
冬季は「温室」内の換気窓を閉めることで、熱だまりをつくり出します。
壁面に充填された木材を原料としたセルロースファイバーにより昼間の日射熱を蓄熱し
夜間暖房を補います。さらに集熱した空気を小型ファンと接続したダクトで床下へ送り込みます。
■環境時代の象徴としての煙突
これからの時代の煙突は、環境時代の新しいランドマークとしてさらにその実践のシンボルとして機能します。
釜石の煙突のある風景は「工業から環境へ」変化しながらも、その象徴性を受け継いでいきます。
釜石の場所と気候に正面から向き合うことで、環境配慮型のワーケーション施設が生み出されることを提案したいと思います。