半田市 半六邸
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昨日は、半田市の中埜半六邸の草引きのお手伝いをさせていただきました。
天気も良く、暖かく、気持ち良い一日でした。
半六邸の庭園の草をむしりながら、
この半六邸がそうであるように、
長い長い時間の中で、それでも使いたくなるような建築について考えたりしていました。
建築はほかのプロダクトに比べると、とても長い時間、そこに建ってしまいます。
この椅子はこのテーブルに合わないから変えようというような気軽さでは、
建築をその土地から切り離すわけにはいきません。
建築は一定期間の風雪や時代の変化に耐えなければなりません。
長い時間という観念は、建築の背負っている宿命かもしれません。
ですが、昨今では日本の住宅の建て替え平均は30年前後です。
建物の寿命の長期化には、
耐久性や耐候性があって、間取りがフレキシブルであるというような
高性能の実現というだけでは少し足りないような気がします。
それらを備えていても、解体されてしまう建物は日本にはたくさんあるからです。
機能や性能は時代によって揺らいでいきます。
ここ半六邸も、邸宅から飲食店などに用途が変更されます。
プログラムというのは長い時間のなかでは、とても儚いものです。
時間の流れや変化に耐えうる強さとは何だろう。
長いあいだ使いたいと思うことのできる建築とはどんなだろう。
新しさ以外の建築の価値とはどのようだろう。
建築の設計は、そんな時間ヘ投げかけるような問いと向き合いながら、
それを下敷きに議論したり、判断したりしなくてはならないのだと思うのです。
草引きをしながら、
100年前の暮らしを想像してみて、うまくいかないと
100年後の暮らしを想像したりして。
それを行ったり来たり。