半田市 新美南吉記念館
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日曜日、家族を連れだって、半田市の新美南吉記念館を訪れました。
とても久しぶりにじっくり見ました。
1990年に設計競技が開かれ、その最優秀案が実現されています。
僕は1980年生まれなので、当時10歳。そんなコンペが行われたことなど、半田市に住んでいても10歳の少年は梅雨知らず。
図書閲覧室のほんの隅の方に保管された、当時のコンペの図版を見るととても興味深い。
当時の建築家の、建築感が束になって瑞々しく伝わって来ます。
それによると最優秀案設計者は、1958年生まれ。当時32歳ということになる。自身の事務所を立ち上げて2年とある。
それだからか、建築が若々しい。
(もちろん、建築の若々しさは、設計者の年齢や経験値に無関係であるというのも真実だと思います。)
曲面屋根の連なり、
屋上緑化による地続きなランドスケープ、
地階と地上のコンポジション、
短冊状空間を横断する展示室へのアプローチ、
太鼓橋のようなスロープ、
天井高、
コンクリートの打放し、
手すり、
雨水処理、
ハイサイドライトと屋上スラブ面の距離、
そういうものみんなが、挑戦的で若々しい。
まだ見ぬ建築へ、勇気を持って向かっていく。
勇気を持って提案し、勇気を持って実現していく。
摩擦や困難があったに違いない。
若々しいとは挑戦的ということです。
既視に懐疑的ということです。
未知に寛容的ということです。
そんな姿勢に、僕はこの建築が素晴らしいものと感じずにはいられないのです。