建築家 栗原健太郎さんと岩月美穂さん(studio velocity)に
インタビューさせていただいた動画をYouTubeにアップしました。
前編では、建築を志されたきっかけや石上純也さんの事務所でのこと、
さらにいくつかのご自身のお仕事についてもお聞きしました。
後編では、ご自身の設計で2018年に完成した「山王のオフィス」をご案内いただきました。
今回は、そんな前編後編ともいっしょに公開しました。
お二人には今回初めてお目にかかったのですが、すごく正直な方々だという印象を受けました。
気を遣って面白く過大に語るような事はしていない、感じていることを躊躇わず、
実直に言葉で描写しようとされている。
お話の中でもっとも印象的だったのが、建築にキャッチーさを与えたいという発言です。
もちろん万人受けする体裁の良いものをつくりたい、ということを意味していないのは、
これまでのお二人のお仕事をみていたらすぐにわかります。
一般の人にどんなふうに受け止められるか、建築がどのような説得力をもつのか、
そのことから目を背けずにいたいということではなかったかと思うのです。
キャッチーというとどこか軽く、誰にもわかりやすく迎合しているニュアンスが伴いますが、
そうではなく、一般の方々が受け取る最後の印象まで責任を持つことを目指されている。
実感が乗った重たい言葉。
その発言を聞いて、studio velocityの作品がふっと腑に落ちました気がしました。
お二人が前衛的な建築を目指される中で、即物的な納まりはやむを得ず採用しているのでは、と
これまで誤読していたかもしれません。
むしろ必然性に確信を持って、切実に採用している。
前衛的でいながらも地方都市に調和した建築を
実現されているのはそのためかと納得することができました。
また山王のオフィスでは、これまでのスタディ模型や掲載本を平置きで陳列して、
いつでも取り出せるようにしていることは衝撃的でした。
情報は閉まってしまうと死んでしまう、いつでも目に付き、
日の当たる場所に出していることで生きたものになる。そう言われた気がして。
情報に空間を与えることで情報は生き長らえる。
撮影は長時間になり栗原さんと岩月さんにはご迷惑をおかけしました。
編集しても前編55分、後編26分と長編になってしまいました。
相変わらず僕のインタビューはヘタクソですが、ぜひ、ご覧下さい。
【前編 インタビュー】https://youtu.be/5GHnXj1NP-s
【後編 設計事務所の様子】https://youtu.be/wLGvGxlT2Hg