NEWS/BLOG

お知らせ・ブログ

「そして父になる」のこと

By 市川 大輔 on 2014年5月25日 in Other

「そして父になる」を観ました。 公開も終わって、いまさらですが、食い入るように観ました。 去年、子どもが生まれたので、映画館で見ることができなかったので、 DVDを買って来て観ました。   泣けました。 考えました。 何度か観ました。 また、何度も観たいです。 そして〇〇になる、の〇〇に違うものを入れてたりしました。   この映画のように、子どもの取り違えというような重大な事件は 日常的にはあまり起きないかもしれません。 だけれども、日常の中にも小さな事件はたくさんあって。   子どもが僕と一緒に手拍子をするようになったとか、 バナナが好きらしく、食べ足りないと表現するようになったとか、 ハイハイが早くなったとか、 お風呂に一緒に入ることが習慣になったとか、 仕事を頑張る理由が一つ増えたとか。   日常は、そのような小さな事件が積み重なって作られる。 身近で些細な層が少しずつ積み重なって。 だんだんと。ゆっくりと。 特別でない特別なことがささやかに。   父になる。 人生をかけて自分全体で「なっていく」。 小さな小さな事件を積み重ねながら。 一生分の時間をかけて。…

Read more

「HIGH LINE」のこと

By 市川 大輔 on 2014年5月16日 in books

「HIGH LINE」を読みました。 市民によって保存して運営しているニューヨーク高架鉄道跡の公園 HIGH LINE。 その経過をまとめた本です。 NPO「フレンズ・オブ・ザ・ハイライン」の設立者2人のストーリー。   建物や構築物は誰のためにあるんだろう。 オーナーのためかもしれませんし、利用者のためかもしれません。 住宅ならその住民や家族のためかもしれません。 それは正しい思うのですが、この本を読んでいるとそれだけではどこか足りない、 それだけでは説明できない部分がどうしてもある気がするのです。   HIGH LINEは、もともと貨物列車用の路面鉄道(後に高架鉄道)であったので、 それでいうと、HIGH LINEは輸送業や精肉業のための構築物ということになります。 きっと設計者・施工者もその人たちのために設計し、工事したのではないかと思います。   けれども、「フレンズ・オブ・ザ・ハイライン」は廃線になった高架線跡地に、 建てられた当初の目的や達成とは、まるで違う、自分たちのなりの価値を発見したんだと思います。 解体・撤去の決定を覆してまで、その発見を大切にしたんだと思います。 その発見が、これまでの歴史と相まって、高架鉄道という構築物を 立体的な都市公園として、いきいきとまた成長させたのです。   建物や構築物はつくづく、 「生みの親」も大切だけれども 「育ての親」も大切なんだなって気づかされます。(アートディレクター水野学さんの言葉です。)   宇宙物理学者・佐治晴夫さんが、「これから」が「これまで」を決める、とおっしゃっていました。 現在から発せられる、これからのための創造力が、変わらないとしてきた過去を決めていく。 建てられた当初の建物や構築物の目的を、 「生みの親」に敬意を持ちながら、「育ての親」が大胆に更新していく。   「建物や構築物は誰のためにあるんだろう」という問いは、 その都度その都度、問い続けなれなければならない。 時間とともに流動的で、とどまらないようにするべき問いかけなんだなって感じます。  …

Read more

半田市 半六邸報告会

By 市川 大輔 on 2014年4月21日 in Architecture, Other

昨日は旧中埜半六邸の保存と活用に関する半六プロジェクトの報告会に参加しました。 これまでの経緯や建築・広場を含めた整備の内容、管理区分などが順序立てて聴くことができたので 内容を改めて自分の中で整理することができました。 このような報告会が行われたりすることは改めて貴重で有意義なことなんだと感じました。 活動が開いていく。NPOの活動と市の整備と市民の声がミックスして発展していく。   去る4/4には、半六邸の構造計算を担当してくださる先生や意匠設計の建築家の先生の視察に ご一緒させていただきました。 敷地の西側にある西蔵。その棟木はとてもきれいで緻密で。 そこにはハッキリと「安政二年」という文字が。 …安政二年!? 幕末。安政の大獄で有名な、あの安政。西暦1855年。いまから159年前。 ペリー来航が1853年。桜田門外の変が1860年。坂本龍馬暗殺が1867年。 新美南吉は1913年生まれなので、まだまだ生まれてないのか。。とか、 歴史と建物と自分の故郷が、一気にぶわーっと頭を巡ったり重なったりして。 そんな頃にこの西蔵が建てられたことを目の当たりにすると、心底ドキドキしました。 この半田の地で、明治維新や戦争や近代化の歴史を通過してきているのかと思うと 感慨も一段と深くなりました。 興味も一段と増しました。 「歴史的記述」がはじめて心に反応しました。 …

Read more

半田市 半六邸

By 市川 大輔 on 2014年3月24日 in Architecture, Other

昨日は、半田市の中埜半六邸の草引きのお手伝いをさせていただきました。 天気も良く、暖かく、気持ち良い一日でした。 半六邸の庭園の草をむしりながら、 この半六邸がそうであるように、 長い長い時間の中で、それでも使いたくなるような建築について考えたりしていました。   建築はほかのプロダクトに比べると、とても長い時間、そこに建ってしまいます。 この椅子はこのテーブルに合わないから変えようというような気軽さでは、 建築をその土地から切り離すわけにはいきません。 建築は一定期間の風雪や時代の変化に耐えなければなりません。 長い時間という観念は、建築の背負っている宿命かもしれません。   ですが、昨今では日本の住宅の建て替え平均は30年前後です。 建物の寿命の長期化には、 耐久性や耐候性があって、間取りがフレキシブルであるというような 高性能の実現というだけでは少し足りないような気がします。 それらを備えていても、解体されてしまう建物は日本にはたくさんあるからです。 機能や性能は時代によって揺らいでいきます。 ここ半六邸も、邸宅から飲食店などに用途が変更されます。 プログラムというのは長い時間のなかでは、とても儚いものです。   時間の流れや変化に耐えうる強さとは何だろう。 長いあいだ使いたいと思うことのできる建築とはどんなだろう。 新しさ以外の建築の価値とはどのようだろう。   建築の設計は、そんな時間ヘ投げかけるような問いと向き合いながら、 それを下敷きに議論したり、判断したりしなくてはならないのだと思うのです。   草引きをしながら、 100年前の暮らしを想像してみて、うまくいかないと 100年後の暮らしを想像したりして。 それを行ったり来たり。  …

Read more

常滑市 INAXライブミュージアム

By 市川 大輔 on 2014年3月11日 in Architecture, Other

常滑市にINAXライブミュージアムという、タイルや便器や、 焼物や土に関する展示やワークショップをしている博物館があります。   自宅から車で15分くらいなのですが、 はじめて行ってきました。   のどかで朗らかで、一般的に博物館という言葉が喚起するイメージとはどこか違くて、 屋外展示や中庭、景観やこの場所にいたる道のりも含めて、 そういう全部でミュージアム空間のように感じました。 環境全体が展示というか、 展示も素晴らしいが、 環境の気持ち良さもより素晴らしい そういうふうに感じてしまう体験的な博物館です。   タイルというと今や工業製品として、 規格的で狂いなきものと僕は考えてしまっているんですが、 ここを体験していると、 タイルは、どこまでも大地や炎との対話の中から生まれてくる、 とても自然的な、 そして崇高な、 原始的な創造の気分に満たされます。 創造の起源。   紀元前のタイル。 洋の東西を超えた世界各地のタイル。 装飾としてのタイル。 機能的なタイル。 時空を問わず、文明のあるところには タイルが人の生活、人の生きるという行為そのものに関わっていることがわかります。   人が土に触る、その瞬間に、 人はその形を変形させ、 創造へ掻き立てられるんだと思います。 ものをつくる喜びや楽しみが ごくごく自然なことで、 ごくごく尊いことのように感じました。…

Read more

名古屋市 LYT+HOPE design center 

By 市川 大輔 on 2014年3月1日 in Other

以前に勤めていた設計事務所の頃からお世話になっている LYT + HOPE design center さんへお邪魔して。 代表 鈴木さんから様々なことをお聞きできました。 仕事のこと、独立のこと、作品のこと、デザインのこと、家族のこと、 どれも自分の今に直結しているので有難いです。   なかでも「POP BONSAI」のお話は興味深かったです。 小さな自然や、それを含めた環境との付き合い方に共感しました。 気軽に、敷居低い盆栽のあり方を、楽しみながら実践されている。 そしてそれをビジネスのかたちに提案できないかを模索されている。 それが素晴らしい。 なんだか、ビジネスというと、少しだけ後ろめたいような腹黒いような気配を伴ってしまう言い方ですが、 そうではなくて、 デザインやそれに関わる作品の、積極的な社会との関係性の築き方の一つなんだと思います。 デザインが自己完結的でなくパブリックな意味を備えること、社会に対して開くこと。 社会に必要かどうか、社会の問題提起に値するかどうか、ビジネスという観点でそれを見定めること。 それこそが、これからのデザインには重要な要素だと思うからです。 鈴木さんの、とことん提案ベースのデザインのあり方に感激。   というわけで僕のiPHONEも、POP BONSAI ステッカー によって 一新していただきました。   http://www.lyt-hope.com/ なんだか楽しいデザインに満ちています。 iPHONEステッカーも完全オリジナルを、気軽な予算で注文できるみたいなので、販促などに是非。 写真はいただいたiPHONEステッカーとLYTさんオリジナルの爪とぎです。   鈴木さん、ありがとうございました。…

Read more

名古屋市 両口屋是清

By 市川 大輔 on 2014年2月17日 in Architecture

昨日は明るく少し暖かな陽気だったので、 洋服などの買い物に名古屋へ。   お昼過ぎのデザートに、新しくできた両口屋是清に行ってきました。 隈研吾さんの設計。 きれいで、上品で、穏やかだけど主張的で。 隈さんの設計した建物にはいつもながら見惚れてしまいます。 和菓子もとても美味しかったです。   僕は栃木県の大学なのですが、 隈さんの設計された建物は栃木県にも数多くあり、 学生の頃はしばしば、勉強しに見学に通っていました。   肌とシャツのあいだに、乾いた空気が通り抜ける感じ。 からっとしてて。透明で。 建築が陽気な気候に融けていました。…

Read more