この秋に、
半田市には創造連携実践センターが、
北名古屋市には共創まちづくり拠点市民活動センターが
それぞれできる予定という、ひょんな一致から、情報交換会とまち歩きが行われました。
行政だけでは人的にも資金的にもあるいはその正当性からも不十分さを感じるため、
まちづくりの主体を市民へ移行していこうとする方向性と課題はどちらも共有されていたように思います。
カフェ、コワーキングスペース、ミーティングスペースなど
施設の主要機能も同様であるためそれぞれの合致と差異がわかりやすく
良い意味で、比較しやすい情報交換会でした。
半田市中心市街地では昨年の11月あたりから
13回のまちづくりワークショップが行われ、レクチャーは6回開催されました。
創造連携実践センターのためのワークショップも6回を超えているはずです。
僕は安易なワークショップの開催には懐疑的で正直言って辟易していました。嫌気がしていました。
アリバイづくりや名目づくり、あるいはワークショップを行うことが目的化して
その成果が共有されずに尻窄みになることをこれまで幾度も見たり、幾度か経験していたから。
建築設計についてのワークショップもその設計が最大公約数的なものに収束しやすく、
設計者の創造性の発揮を剥ぐ恐れすらあるのではないか、
あるいは恣意的なものの理由づけのために使われてるのでは、と勝手ながら心配するほどでした。
だけれどもそれは間違いだったかもしれない、
そう思うことが、創造連携実践センターのワークショップで起こっていました。
ワークショップを通じて、人が出会い、新たなグループをつくり、活動していこうとする動きが生まれました。
特に「となりの建設部」という奇妙な名前の活動は創造連携実践センターの建つ予定の敷地の、
隣のニイミ時計店、新美恵美さんが中心になって始められています。
どうせ建つなら良いものを。
それを少しでもみんなに知ってもらおう、と
朝の通勤通学時間にチラシを建設地の前で配ったり、
勝手に建設告知の看板を立てたり、
建設中の工事参加型ワークショップを企画してみたりする自主的な活動。
2週に一度、朝7時半から。
公共建築が建つ際に、このような活動が自主的にうまれることはとても稀有なことではないでしょうか。
公共建築の建設プロセスや必要性をむやみに批判するのではなく、そもそも論を振りかざすのでもない。
一旦計画を受け入れてみて、その上で自分たちができることをできる範囲で行動していく、
そんな姿勢をたいへん尊敬するし、
実は強い影響力を持つことになるのではないか、と考えたりしています。
そして、そうゆう活動を支えるような、受け止められるような施設にならないとしたら
それを失敗と呼ぶのではないか、とすら思えるのです。
これはワークショップの直接的なねらいとは違うかもしれないし、
副産物と言えるかもしれないけれども、
ワークショップをしなければ生まれて来なかったのは確かだから、
やっぱりワークショップの成果と言えるはずで。
半田市市長特任顧問の伊藤大海さんから良いワークショップと悪いワークショップがあるはず、
とアドバイスいただいたことも、今回のたくさんのワークショップに参加する動機になりました。感謝しています。