童話の森にみんなで円を作っています。
11月3・4・5日の3日間、半田市の新美南吉記念館の童話の森にて開催される「童話の森の文化祭2023」。
そのなかのイベントのひとつ、【童話の森のミュージアム】は南吉作品からインスピレーションを得た作品をアーティストが森の中に展示する、というもの。陶芸や木工、型染め、いけばな、言葉など。
その展示のための会場構成を設計させてもらっています。
すでに童話の森に存在するエレメントだけを使って展示のための空間をつくろうとしています。
バラバラに散在する落ち葉や枝、石ころ、土などを集めて、色や形を選び、人為的なかたち=正円に並べ直していく。それがアート作品を設置する展示台となり、さらに来訪者の動線を誘導する手がかりになったりするというもの。
今日はその設営日の一つでしたが、設営に参加して、枝を集めていると、使える枝と使えない枝がわかってくる。これまでただの枝として一緒くたになっていたものの差異が見えてくる。太さ、色、樹種、折れるかどうか、違和感がないか、色が調和するか。自然に寄り添う人為とはなどと考えたりします。里山や南吉の物語の風景の美しさを思い出します。
会期後、円のそれらは風に吹かれ、雨に流されて、徐々にエッジが曖昧になり、ゆっくりとまわりと混ざり合いバラバラな状態に戻っていく。
日常的にこの森に存在するエレメントが少しの期間だけ特別な集まり方をすることで、木々の間を散策しながらアート作品を楽しむ時間をそっと支えてくれることを意図しています。
会期中はそれだけではなく、自然観察会、体験型こどもミュージカル、野外上映会、朗読会、カフェ、ワークショップなど目白押しです。事前予約が必要なものもありますので是非、サイトより。