愛知県木造住宅耐震診断

愛知県木造住宅耐震診断

愛知県木造住宅耐震診断の養成講座を受けて

診断員の登録をしました。

震災があったりするたびに建築家の役割について考えます。

綺麗な建築を設計するというのもとても重要な仕事だと思うのだけれども

それだけが職能ではないはずだから。

新しい建築の設計ということ以外にも

住まい手に少しでも寄り添っていける方法があるはずだから。

 

そうだからこそ、木造住宅の耐震診断を通じて、地味だけれど地道な方法で、

「住環境を少しでも良くする」という命題に建築家として応えていけたらと感じています。

昭和56年以前の住宅であれば、診断員は市町村から無料で派遣されるので、

診断自体には所有者の負担にはならないというのも素晴らしいと思います。

そういう機会を生み出そうとする、このような制度にはとても共感しました。

 

しかしながら、講習を受けて、少しだけ釈然としない部分といいますか

心配な部分をどうしても拭うことができませんでした。

それは、どういうことかというと、

長く住まわれてきて、愛着を持ってらっしゃる住宅があるとします。

現状の住まい方にとても満足してるのだけれど、ただ耐震性に幾ばくかの不安を感じてらっしゃる方が、

木造住宅耐震診断制度を利用して、その耐震性を診断してもらいました。

その結果、点数付けされた診断書とともに内容の説明がなされます。

多くの場合はNGとなってしまい、一般的な補強のアドバイスが行われます。

そのシステム自体は一定の基準で行っていることなので仕方のないことだと思うですが、

気になるのは、

住宅という、建築でもっともデリケートなビルディングタイプであるにも関わらず

ソフト面のケアというか、血の通う部分での気配りというものを

診断員に任せっきりになっている感じがしたからです。

住宅というのはとっても小さくて繊細です。

その分、思い入れも強く、愛着があって、誇らしいものです。

それらを、耐震診断結果という一側面だけの正義が、一瞬で破壊してしまう危険性はないだろうか。

耐震診断が諸刃の剣になってはいないだろうか。

僕らはそういう部分にもっとセンシティブでなくてはいけないのではないか。

だから、耐震診断結果の説明には、診断員の責任と社会性と気配りが必要になってしまいます。

そういう部分をもっと養成すべきでないかと思うのです。難しいのは承知です。でも。。

このような心配が、僕が少しだけ釈然としなかった理由です。


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