新美南吉の言葉と風景展
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半田赤レンガ建物で開催されている「新美南吉の言葉と風景」展の会期が11月25日(土)まで延長されることになりました。
ぜひこの機会に。
会場構成に当たって提案した大きなことの一つは新美眼科医院旧館の家具を展示台として使う、というものです。
半田赤レンガ建物から徒歩5分程度の南側に「新美眼科医院旧館」はあります。「診療室」と「手術室」には本格的な洋風建築の意匠が施されており、愛知県内における近代の病院建築としても重要な遺構です。
半田赤レンガ建物完成が1898年、新美南吉が生まれたのが1913年、そして新美眼科医院旧館は1915年に建造されています。
同時代をこの半田の地で過ごしてきた歴史に思いを馳せ、南吉文学を再解釈して製作された作品群を展示するのには、新美眼科医院旧館の家具は相応しいと考えました。
それにしても当時、この半田の地にいったい何が起きていただのだろうか、とつくづく驚くべきばかりです。
中埜又左衛門や盛田善平といった産業界のリーダーたちはドイツから新しい技術を取り入れ、1887年から本格ドイツビールの製造を開始する。
二代目新美直は1901年に眼科専門医となり、半田医師会初代会長を務めている。徴兵検査の眼科を担当し、さらにトラホームの調査及び治療に顕著な功績を残しています。
新美南吉は言わずとしれた児童文学作家。1932年に東京外国語学校に入学するまでこの半田の地で過ごしており、同年「ごんぎつね」が「赤い鳥」に掲載されます。
これらの多業種多ジャンルでの功績が同時代同郷土に存在していたことへの驚きと感慨を同じ時空間へ展示する試みです。
キュレーション、プロデュースは吉田 雅彦さん。