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Monthly Archives: 1月 2014

お知らせ・ブログ

「歩くような速さで」のこと

By 市川 大輔 on 2014年1月31日 in books

「歩くような速さで」を読みました。 映画監督 是枝裕和さんのエッセイ集。   読後の印象は、とても晴れ晴れしかったです。 いたずらに、掻き立てられたり、落ち込んだりしない。 それこそ歩くような速さで自分の心理が反応していました。 自動車のような排他的なスピード感ではなく、 徒歩という許容的なスピード感でまちを体感する、まさにあの感じ。   映画監督の心構えというか、ものごとの見方や良心が、 正直に書かれている気がしました。 それらは何も映画監督に限ったことではなくって、 むしろ、どんな職業であろうとも、 現代の私たちの共通認識みたいな、普遍的な価値観を提示しているように思えたのです。   子ども頃や思春期に経験したエピソードが、かたちを変え、 というかけっこうそのまま、自身の映画やドラマに使われていることを知りました。 ごくごく個人的な価値観や経験談が、いっきに国際的な普遍性を持つことがあるということを。   特に共感できたのはこの一節。 「僕が作品を生んでいるのではない。作品も感情もあらかじめ世界に内包されていて、 僕はそれを拾い集めて手のひらですくい、ほらっと見せているに過ぎない。作品は世界との対話である。」   建築もしばしば、設計者をして作品と呼ばれる事があります。 そのこと自体は慣習的なことだと思いますが、 それ以上に、建築は設計者なり施工者なりが自然を征服して全人工的に作品になっているという、 心持ちのほうがずうっと違和感があります。 是枝さんの作品のように、建築のかけらを拾い集めるように建築を作れたりはできないだろうか。 建築が、対話やコミュニケーションを生むように、丁寧に。  …

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栃木県 益子町

By 市川 大輔 on 2014年1月27日 in Architecture

週末に、栃木県に行く機会があったので 少しだけ足を伸して陶芸で有名な益子町へ行ってきました。 濱田庄司さんの参考館を見たかったのですが、 臨時で休館でした。   ですが、内藤廣さんの設計の「フォレスト益子」という 建築が近くにあるのでそちらを見てきました。 学生の頃、一度観たきりで、久しぶりに訪れましたが、 とても素晴らしかったです。 学生の頃は、現代建築にしては少し地味な建物だなって思っていましたが、 現在になって観ると、景観的な視点ですごく共感できました。 あの土地に立っている素晴らしさを感じました。 周辺の景観に調和することと、景観を新たに創造していくことが 自然なかたちで一致しているところに感銘を受けました。   ただ、ひとの活気が以前よりも、少なくなってしまったようで それが少し気がかりです。…

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homeKZ 外断熱

By 市川 大輔 on 2014年1月23日 in Architecture

半田市のhomeKZ。 外断熱の断熱材(壁面)を施工中です。   外断熱とは躯体(構造体)の外側に断熱材を敷いていく工法です。 外断熱は、同じ性能の断熱材を使っても 熱橋(ヒートブリッジ)と呼ばれる住宅には良くない現象を防ぐことができるので、 内部結露などがしにくいと言われています。 (熱橋とは伝熱しにくい壁(断熱材の施工された面)に伝熱しやすい部分(構造体など)があると その部分に熱が通りやすくなってしまうという現象です。) 今回のお施主様は住宅リテラシーがとても高い方ので ご要望で採用していますが、とてもオススメしたい工法です。   今でしたら現場もご覧になることができますので是非お問い合わせください。  …

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半田市 旧中埜半六邸

By 市川 大輔 on 2014年1月18日 in Architecture

半田市の旧中埜半六邸の内部を見せていただきました。 保存運動と活用の提案をされている半六コラボさんの活動も 見学・体験させていただきました。 活気のある意見交換で、過去の良いものを 現在を通して、未来にどう受け継いでいくか、 みなさん、真剣で活動的で本当に素晴らしかったです。   また建物も庭園もこの地域の財産で、とても魅力的でした。 当時の生活が、耳をすませば聞こえてくるようです。 地域環境や伝統、風土、そういう抽象的な概念が ここでは現実のものとして、確かに存在していました。…

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「心」のこと

By 市川 大輔 on 2014年1月15日 in books

「心」という小説を読みました。 とっても残酷で無情で論理的。 だけれども暖かくて感情的で人間的。 政治学者である冷静な著者と、 テレビなどで見る、あの静かでゆったりとした著者と、 その両方がこの小説にも顕れているような気がしました。   「生きる」とは何だろうか。 「死ぬ」とはいったいどうゆうことだろうか。 「心」とは。 そんな絶大なる問いの、 答えがこの小説に書かれているわけではないですが その答えに肉迫しようとする物語。 大学教授と、友人を失くした大学生とのメールでの 往復書簡であるからかもしれないですが、 親近感を持って読むことができます。   自分にはこれまで、この物語で出てくるような 壮絶的な「死」を経験したことはないし、 できればこれからも経験したくないと思うのだけれども、 この物語の、人間的で正直で恐れを知る生き方をしていきたい。 自然の力を恐れ、自分の無力を自覚して生きていたい。 謙虚でいたい。   「生きとして生けるもの、末永くお元気で」 僕も生きているからには心底、そうしたいのです。…

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半田市の街並み

By 市川 大輔 on 2014年1月13日 in Architecture, Other

運河沿いの冷たい北風に煽られながらも、 故郷であり、事務所の所在地でもある半田市を見ておこうと 半田運河沿いや古い街並みの残る紺屋海道を 家族で、ベビーカーを押しながら探索してきました。 有名な観光地に比べたらその数は少なく、 見応えもないかもしれないですが、 半田市で生まれて、高校生まで半田市に住んでいたのに こんなところがあるとは詳しく知りませんでした。(情けないです。) 僕は建築の設計なので、これまで どうしても新しいものに目が行っていたのかもしれないです。   建築はいかなるものも必ず、未来のために建てられます。 なので、新しい考えや新しい技術が大切だとどうしても思いがちです。 そうなのですが、だからこそ未来のためには 「過去」のものも重大です。 「過去」だけが現実で、「未来」につながる唯一の手がかりです。 歴史は私たちの財産であり、常に味方でいてくれる懐の深い存在だと思います。   そんな歴史的な建物を保存する運動が半田でも幾つか起こっていることを 最近の新聞で知りました。 僕も建築家として、 新しい建物だけでなく、 歴史的な建物も注視していきたいと思うことができた一日でした。         …

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冬日和

By 市川 大輔 on 2014年1月12日 in Other

今日は晴れていて、冬日和というのか、 部屋の中では日差しがとても暖かいです。 事務所は3階なので 窓の外にはちょうど2階建ての家々の屋根が見えます。 向こうの方まで、ちょうど水平線のように ずうっと連なって、その姿が遠方で見えなくなるほどです。 一つ一つの屋根の下にはきっと それぞれの家族がそれぞれのやり方で住んでいることを想像すると、 なんだかやけに身が引き締まります。 暖かな日差しに照らされた、屋根の下の平和な日常。 そんな穏やかな風景の中に、そっと、もうひとつだけ屋根をかけるように 僕は住宅を設計したい、そう思うからです。…

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